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ランちゃん健康倶楽部

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腸内細菌クン

腸内細菌クンたちと私たち人類の関わりは、私たちが生まれて以来、数百万年にも及んでいると言われます。
今なお排除されることなく存在し続けているということは、私たちと腸内細菌クンがいかに深く結びついているかがうかがえます。つまり腸内細菌クンはヒトと相互依存・共生関係にあるといってもよいのです。
そして最近の研究により、腸内細菌クンが私たち人間の生理や代謝に深く関わっていることが々と解明されてきました。腸内細菌クンたちは人体の健康維持に対して大きな影響を与えているんです。

★腸内細菌クンってなに者? 
私たちの周りには、肉眼で見ることの出来ない非常に小さな生物が生息しています。これを一般的には「微生物」と呼んでいますね。
そして、この微生物は細菌とカビなどからなっているのです。 一方、人間の胃や腸などの消化管、正しく言えば口腔から肛門に続く約10メートルの一本の管ですが、この中にも莫大な量の細菌が常在しており、これが『腸内細菌クン』なんです。
腸内細菌クンたちは300種類もあって、100兆個。重さはな~んと1kgにもなると言われています。人体の中で大切と言われている臓器である心臓が200~300グラム、脳が1300~1400グラム、肺が1300~1500グラムですから、この腸内細菌クンの集まりは『第3の臓器』と位置付けることもできますね。 
この腸内細菌クンたちの集まりは、各部位毎にそれぞれに異なる種類、数量を持って分布をして定着しています。こうして形成された腸内細菌クンたちの集まりを『腸内細菌叢(腸内フローラ)』と呼ぶんです。

★腸内細菌クンのバランスが悪いとどうなる??? 
ヒトの腸内細菌クンは通常、有用菌クン(ビフィズス菌、乳酸菌)と有害菌クン(ウェルシュ菌、プロテウス菌)が、一定のバランスを保って定着をしています。それが、老化・ストレス・疾病・環境変化・食生活によってそのバランスが崩れていきます。 
腸内細菌クンたちのバランスが悪くなっていくと、私たちの体にはどんな影響が出てくるのでしょうか。

·便秘になっちゃう 
食生活の変化や運動不足など、生活様式の変化により、腸の働きが弱くなって便秘になる人が増えています。便は消化吸収されたもののカスで、その1/3~1/2は腸内細菌クンたちが占めています。
この場合の腸内細菌クンの中には、有用菌クンや有害菌クンが多数存在していますが、有害菌クンは私たちの体に有害な物質を作り出します。 
これらの有害物質を腸内に長い時間停滞させると、腸の壁から体内に吸収されて悪影響を及ぼします。 
最近では、ニトロソアミンのような発ガン物質を作り出すことが「大腸がん」の発症と深く関わっていると指摘されています。 
他には、肌荒れ、にきびなどの身近な体調不良から、老化を早める、血圧を上げる、動脈硬化を誘発するなど、生活習慣病にも結びついてくる影響もあるとされています。

·下痢になっちゃう
便秘に比べると、腸内の掃除がすべて終わった後の爽快感もあるので罪は軽いかとも思われますが、下痢も腸内細菌クンのバランスが崩れることで引き起こされます。 
その原因としては、心身のストレス、偏った食事、抗生物質等の薬の濫用、旅行ブームによる外国からの病原微生物の流入などが考えられています。 

·免疫力が低下しちゃう 
私たちの体には、外からの病原微生物に対して防御する機能が備わっています。それを「免疫機能」と言います。 
腸内細菌クンのバランスが崩れることで腸炎を起こしたり、延いては全身感染症をも引き起こす可能性まで高まります。

·副交感神経の機能を抑えちゃう 
私たちがストレス状態になると、そのストレスを緩和しようと防衛反応として脳下垂体からアドレナリンなどのホルモンが分泌されます。これらは、交感神経の機能を活発にして副交感神経の機能を抑えます。 
腸の動きや消化液の分泌は副交感神経によって支配されているのでストレスにより腸内細菌クンたちのバランスが崩れ、体調が害されていきます。
さらには、ガンなどを発症し命の危険にもさらされます。こうして、私たちは健康の維持を出来なくなっていきます。

★腸内細菌クンたちは何をしているの?

·腸内PHの安定、腸の働き(蠕動運動)の活性化
腸内細菌クンが生み出す酸(乳酸菌や酢酸)は腸内PHを下げます。
その刺激によって、腸の働き(蠕動運動)が活発になって消化活動が促進されます。

·脂質代謝の改善 
コレステロールや中性脂肪の代謝に影響を与えて血清中の脂肪やコレステロール量あるいは、血糖値を適正な値に改善します。

·有害・発ガン物質の分解、排泄促進 
病原菌クンが増えることを抑え、有害物質を生み出すことや体内への吸収を抑えます。

·ホルモン、ビタミンの産生 ステロイドホルモンやビタミンB1、ビタミンK、ビオチン、葉酸などをつくって人の体調を整えます。

·免疫系の賦活 
腸内細菌クンが免疫系を刺激し、活性化されます。

·病原菌有害菌の増殖抑制、感染防御 
胃酸や胆汁等で死滅しなかった、外からの病原菌も腸の粘膜や腸内細菌クンにより定着できないようにしている。 

·消化、吸収、代謝 
タンパク質や糖質を分解したり、人間には消化できない繊維質を分解して消化を助けています。

·肝腎機能の活性化保全 
腸内細菌クンは、人の体の健康維持に対して大きな影響を及ぼしているといえます。

★治療医学の現状 
高齢化社会を迎え、生活習慣病の克服は人類の悲願とも言える重要な問題になってきています。治療医学は急速な科学の進歩と相まって、私たちの平均寿命を延ばすなど大きな成果を収めてきました。 
しかし、発病するまでまるで自覚症状がなく症状が進んでからでは根本的な治癒が望めない生活習慣病に対しては、患者の生命を幾分延長させることぐらいしか出来ない現状があります。 
この間の激しいっ苦痛の日々を送る方の苦悩は想像してあまりあるものです。そして、医療費の経済的負担もはかりしれないものがあります。

★予防医学への転換 
新しい医学のあり方は、今、『治療医学』から『予防医学』へと大きく転換しようとしています。政府もこの課題に積極的に取り組むようになり、予防医学が『社会的意義』を持って進められるようになりました。

◇予防医学の基本概念◇ 今までの治療医学での決して治癒することなく日々発症に向けて進行する、生活習慣病に対して健康を維持する為には、絶えずその危険因子を排除し、成人病の進行を抑制することが重要。

★腸内細菌クンと予防医学 
腸内細菌クンは、「予防医学」を実現する具体的な手段として大きな注目を集めています。 
永年の研究によって腸内細菌叢は人の根源的な存在そのものと密接に関わっているという驚くべき存在意義が明らかにされました。 
今後、さらに科学的な解明が進めば、人間の存在と密接に関わる腸内細菌の姿がより鮮明になり、そして、私たちの健康になくてはならないものとして位置付けられるようになるでしょう。 
現在までの研究で、人間の健康維持に大きな役割を果たす数々の菌株が腸内細菌叢中から発見されました。今後、さらにこの腸内細菌叢中から人間に大きな福音をもたらす新たな菌株が発見されていくことでしょう。



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